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"わたくしがウラン濃縮の仕事をしているときに勉強したプルトニウムの知識は少し古いので、今回、西暦2000年までの事故例などを調べてみました。 やはり最も注目すべき事故例は、1965年のアメリカで起こった..."

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わたくしがウラン濃縮の仕事をしているときに勉強したプルトニウムの知識は少し古いので、今回、西暦2000年までの事故例などを調べてみました。

やはり最も注目すべき事故例は、1965年のアメリカで起こった事故で、その時には25名の人が酸化プルトニウムの微粒子を吸い込んでいます。

吸い込んだ量は、放射線の作業をする人として認められている許容値のさらに10倍程度であり、かなりの量を被曝しています。

この時の酸化プルトニウムの粒径は0.21ミクロンから0.37ミクロンです。0.21ミクロンとは210ナノメートルですから、所謂“ナノ粒子”の領域です。微粒子としてもかなり小さい方に属します。

当時、プルトニウムは非常に毒性が強いと言われていたので、この25人は直ちに肺癌になると予想されていました。しかし、事故後20年たった1985年の健康診断でも健康上の被害は認められていません。

このほかに事故例は10ぐらいありますが、いずれも軽度の被曝で重篤な症状は見られていません。

・・・

原理的に言えば、酸化プルトニウムの微粒子が呼気とともに肺に入ると、沈着しα線をだして周囲の細胞を痛めると考えられます.また半減期が長く、水に溶解しないので、一旦、肺に入った酸化プルトニウムは除去ができないと考えられます。

しかし、それは机上の考えであり、事故例を見ますと、酸化プルトニウムの化学的、生理学的なダメージは小さく、α線による放射線障害が主でしょう

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一方、インフルエンザウイルスの大きさは、0.1ミクロン程度ですので、幸いインフルエンザ用マスクでかなりの部分は、防ぐことができると思います。



- 武田邦彦 (中部大学): 原発 緊急情報(36) 3号炉(プルトニウム)の問題(その2) (via katoyuu)

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